弓木くんはどうやらわたしが好きらしい

「……は？」

「好きなの、千隼くんのことが、好きだから、もう恋人 “ごっこ” は、やだよお……っ」




言ってしまった。

おそるおそる千隼くんの様子をうかがうと、見事にフリーズしている。

え、とわたしが驚いたタイミングで千隼くんはたったひとこと「は？」って。



「え、聞いてた？」

「……なに今の。もっかい言って」

「だから、千隼くんのことが、好き、だって言ってる……っ」




決死の告白をスルーされて、むっとしながら再度ぶつけると、千隼くんはまたもやしっかり固まった。




「……もっかい」




じわ、と頬があつくなる。
何度言わせるつもりなんだ。




「千隼くんのことが、好きです」



じっと千隼くんのきれいな色の瞳を見つめて言うと、次の瞬間ぐいっと腕を引かれて、腕のなかに閉じこめられた。




「……なあ、それ本気で言ってんの？」