弓木くんはどうやらわたしが好きらしい
結局どこがお気に入りポイントなのかはわからないまま、ハニワのぬいぐるみを抱えた弓木くんと、ゲーセン内をぐるっと物色して回る。
途中で、うさぎのぬいぐるみのUFOキャッチャーが気になったけれど……ううん、今はがまん。
だって、デート中なんだもん。
弓木くんがわたしを楽しませてくれているみたいに、わたしだって弓木くんにとって楽しいことを考えなくちゃ……。
と、そこまで考えて気づく。
弓木くんと過ごす時間を、わたし、今、すっごく楽しんでいる。
「そろそろ、出よっか?」
ゲーセンを1周したところで、そう提案すると。
「待った」
弓木くんがストップをかける。
「俺も1回、UFOキャッチャーやっていい?」
連れて来られたのは、さっき気になったうさぎのぬいぐるみのUFOキャッチャーの前だった。
弓木くんも、このうさぎ、気になってたんだ……!
はじめてUFOキャッチャーでゲットした部屋にいる超高額うさぎの色違いバージョンで、きゅるんとした目と首のリボンがとってもかわいい。
ハニワは正直理解できなかったけれど、今度は弓木くんと趣味が合うかも……なんて考えていると。
「取れた」