弓木くんはどうやらわたしが好きらしい


そんなわたしにトドメを刺したのは、数学の先生かつ担任、ノブナガの次のひとことだった。



「今回、クラスの最高点は48点。最低点は6点だった」

「……!」



それって、弓木くんとわたしじゃん。

思わず弓木くんを3度見すると、弓木くんは頬杖をついてじーっとこちらを見つめていた。3度とも目が合ってしまった。


絶対ばかにしてるんだ、わたしのこと、頭悪いって見下してるんだ。事実だから、仕方ないんだけど。


教室が少しざわざわしている。



「6点……?誰?」
「6点はさすがに低すぎない?」
「聞き間違いかな」


わたしです、聞き間違いじゃないです、すみません……!

ああ、なんだか泣きたくなってきた。


内心、泣きべそをかきながら弓木くんに聞いてみる。



「隣の席なのに、この差はなんなの……」

「席順と成績は関係ないだろ」



正論だ。



「平均点を下回ったやつは、気を引き締めて復習しろよー。1週間後の期末テストでは、小テストより難易度の高い問題を出す予定だからなー」

「ひぃ……っ」



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