弓木くんはどうやらわたしが好きらしい
想像すると、余計に絶望した。
両頬をおさえて、ムンクの叫びのような顔をすると、弓木くんは「ふは」と笑った。笑うんじゃない。
ううう、とジト目で弓木くんを見ていると。
「じゃあ、俺と勉強するか」
「へ、えっ?!」
「一緒に勉強する? わからないとこ、教えるけど」
「……!」
願ってもない提案だ。
だって、弓木くんは勉強ができるひと。
それも、ものすごく。
そんな人が、家庭教師になってくれるなんて、願ったり叶ったり。
すぐにでも飛びつきたい美味しい話、だけど……。
「さすがに、そんな迷惑かけられないよ。弓木くんだって、自分のテスト勉強があるんだし、ジャマするわけには」
「そんな程度で俺の点数が下がるとでも?」
「!」