弓木くんはどうやらわたしが好きらしい
♡
𓐍
𓏸
「あれ……、弓木くんって視力、悪かったのっ?」
放課後。
みんなが帰った教室で、弓木くんとふたりきり。
数学の教科書をがさごそ取り出すわたしを横目に、弓木くんがメガネをかけ始めたから、驚いた。
「ちょっとだけ。夕方になると視力落ちるんだよな」
「へえ……」
2年間も隣の席なのに、知らなかった。
弓木くんの瞳はいつも透きとおっていて涼しげだけれど、黒縁メガネのレンズを透かしてみると、さらにクールに見える。
そもそも、弓木くんは前提として、顔がいい。
整った顔立ちには何だって似合うんだな、と再確認した。
「そんなにじろじろ見られると、顔に穴あくんだけど」
「!」
「もしかして、見惚れてた?」
自意識過剰……!
と言いたいところだけど、図星なので、言えない。
だって、改めてじっくり見てみると。
「弓木くんの顔、キレーで、好きだなあって」
ひとつひとつのパーツが整っていて、配置もよくて、おまけに肌もつるすべだ。羨ましい。
そりゃあ、おモテになるよね、と腑に落ちる。
誰がどう見たって格好いいもん、とふむふむ納得しながら、まじまじ見つめていると、弓木くんは、ごほっと咳払いした。
「っ、あ、そ」
ほんのり紅く染まった耳。
あれ、もしかして、弓木くん、照れてる……?
確信を持つ前に、弓木くんがわたしの邪念をぶった斬る。
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「あれ……、弓木くんって視力、悪かったのっ?」
放課後。
みんなが帰った教室で、弓木くんとふたりきり。
数学の教科書をがさごそ取り出すわたしを横目に、弓木くんがメガネをかけ始めたから、驚いた。
「ちょっとだけ。夕方になると視力落ちるんだよな」
「へえ……」
2年間も隣の席なのに、知らなかった。
弓木くんの瞳はいつも透きとおっていて涼しげだけれど、黒縁メガネのレンズを透かしてみると、さらにクールに見える。
そもそも、弓木くんは前提として、顔がいい。
整った顔立ちには何だって似合うんだな、と再確認した。
「そんなにじろじろ見られると、顔に穴あくんだけど」
「!」
「もしかして、見惚れてた?」
自意識過剰……!
と言いたいところだけど、図星なので、言えない。
だって、改めてじっくり見てみると。
「弓木くんの顔、キレーで、好きだなあって」
ひとつひとつのパーツが整っていて、配置もよくて、おまけに肌もつるすべだ。羨ましい。
そりゃあ、おモテになるよね、と腑に落ちる。
誰がどう見たって格好いいもん、とふむふむ納得しながら、まじまじ見つめていると、弓木くんは、ごほっと咳払いした。
「っ、あ、そ」
ほんのり紅く染まった耳。
あれ、もしかして、弓木くん、照れてる……?
確信を持つ前に、弓木くんがわたしの邪念をぶった斬る。