弓木くんはどうやらわたしが好きらしい
さっきから変に意識してしまっているせいで、よこしまなことを疑ってしまう。
ゆ、弓木くんってばまさかそういうつもりで……。
「なんつー顔してんだよ」
「だ、だって!」
「そのままじゃ、体温まらねーだろ。お湯につかってゆっくり休まってくれば?」
「そんな……っ、別にこれくらい大丈夫だよ……っ、へっくしゅ!」
「ほら、言ったそばから。風邪ひくぞ」
盛大にくしゃみをしたわたしを見つめる弓木くんの顔は、心配一色。
よこしまな色はどこにもなくて、善意100パーセントで言ってくれているのがわかった。
むしろ、一瞬でもそういうことを妄想してしまったわたしの方が、だめだ、恥ずかしい。
じわり、頬があつくなる。
「じゃあ……ええと、お風呂、借りてもいい?」
「今、湯沸かしてるから」
「ありがとう」
「風呂入ってる間に、そのシャツ、乾燥機にかけとく」
「えっ!? いいよ、そこまでしてくれなくても!」
サービス精神旺盛な弓木くんに戸惑う。
さすがに、そんなこと、させられない。