マドレーヌは甘すぎず
七瀬さん、美しく優しい七瀬さん、とても高貴な家庭で生まれた七瀬さん、けれど体が弱く、親にはひどい仕打ちを受けてきた七瀬さん、楽に、眠るように死にたいと仰っていた七瀬さん。

私に、こんな私にも、優しく接してくださった七瀬さんに、なにかしてあげられることはあるか、たくさん考えましたの。

どうしたら七瀬さんを幸せにできるか。

たくさん、たくさん、考えて、たくさん勉強もしましたの。
お菓子の中に混ぜ込んだこの薬はね、毎日少量を摂取することでゆっくりと薬の成分を身体中にまわすことで、まるで眠ったかのように安らかに息を引き取ることができますのよ!少し酸味が強いけれど、七瀬さんのお口に合わせて調整いたしましたわ。

七瀬さん、

苦しくなかったでしょう?
痛くなかったでしょう?

私もすぐ行きますから、そちらで待っていてくださいな。

私の大好きな七瀬さん。

< 4 / 4 >

ひとこと感想を投票しよう!

あなたはこの作品を・・・

と評価しました。
すべての感想数:0

この作品の感想を3つまで選択できます。

この作家の他の作品

公開作品はありません

この作品を見ている人にオススメ

読み込み中…

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop