戀を手向ける
恋の話








ほかの人より短い人生で

出会ってくれた人たちに
何ができるかを考えてた


だけど本当はそれ以上に
記憶に残りたくて
生きた証を残したくて
大切に思われてみたくて

独りよがりが申し訳なくて、せめて
楽しませられるようになろうとした


そんなわたしを
最後まで楽しませてくれたのは

きみという存在でした

出会ってくれてありがとう
おかげでいっぱい笑えたよ

きっと世界で一番幸せな女の子になれたよ


いつも大事そうに名前を
呼んでくれるのがうれしかった


できればきみの人生分
わたしも生きたかった

それは内緒にするから



────「いくなよ」


その前に、本当はずっと伝えたかったこと

今度こそ勇気を出すから
伝えにいってもいいかな


その言葉(想い)でなら

わたしでもきみを笑わせられると思うから










【戀を手向ける】 fin.

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