俺様社長は奥手な秘書の初めてを奪う
社長に続き、三十階にある第一会議室の中に入る。
中央にホワイトボードがあり、囲むようにしてザッと十数人の社員が会議用の机の前に座っているのが見えた。
メンツはルイさん率いる、オテル・シェヴァリエのスタッフ、華さん率いるデザインチーム、営業部長など……みな私に視線を送っている。
(やっぱり、すごく気まずいな)
社長が中央の椅子に座るのを確認した後、私はみんなから離れたところで部屋の隅にあるパイプ椅子に腰かけた。彼らを気にしないように、手元にある資料に視線を移す。
「じゃあさっそくだが、来月の頭に迫っている、パリ視察のスケジュールから確認していく」
社長の声に、場は静まり返った。
パリ滞在は一週間。
今回の視察は、ルイさんが展開する現地のホテルや他会社の老舗ホテルめぐり、すでに出来上がっている内装のデザイン案の微調整を主な目的としている。
それらに三日間使い、さらに二日間は提携先のあいさつ、一日は小道具の収集が行われる予定だ。
(残りの一日は自由時間……)
淡々とスケジュールの確認が行われ、ルイさんや華さんの口から、現在の進行状況が告げられる。
ちなみに彼らは主力メンバーなので、もちろん社長と一緒にパリ視察に行く予定だ。
「じゃあ、ミーティングは以上ね。何か調整が必要な場合はまたメールで快に知らせるわ」
華さんがそう言って、話をまとめようとしたその時……。
社長がガタッと椅子から立ち上がった。
(えっ……)
「一応みんなに報告する。今回のパリ視察は、結城も連れていくから」
中央にホワイトボードがあり、囲むようにしてザッと十数人の社員が会議用の机の前に座っているのが見えた。
メンツはルイさん率いる、オテル・シェヴァリエのスタッフ、華さん率いるデザインチーム、営業部長など……みな私に視線を送っている。
(やっぱり、すごく気まずいな)
社長が中央の椅子に座るのを確認した後、私はみんなから離れたところで部屋の隅にあるパイプ椅子に腰かけた。彼らを気にしないように、手元にある資料に視線を移す。
「じゃあさっそくだが、来月の頭に迫っている、パリ視察のスケジュールから確認していく」
社長の声に、場は静まり返った。
パリ滞在は一週間。
今回の視察は、ルイさんが展開する現地のホテルや他会社の老舗ホテルめぐり、すでに出来上がっている内装のデザイン案の微調整を主な目的としている。
それらに三日間使い、さらに二日間は提携先のあいさつ、一日は小道具の収集が行われる予定だ。
(残りの一日は自由時間……)
淡々とスケジュールの確認が行われ、ルイさんや華さんの口から、現在の進行状況が告げられる。
ちなみに彼らは主力メンバーなので、もちろん社長と一緒にパリ視察に行く予定だ。
「じゃあ、ミーティングは以上ね。何か調整が必要な場合はまたメールで快に知らせるわ」
華さんがそう言って、話をまとめようとしたその時……。
社長がガタッと椅子から立ち上がった。
(えっ……)
「一応みんなに報告する。今回のパリ視察は、結城も連れていくから」