俺様社長は奥手な秘書の初めてを奪う
「少し席を外してもらえるかな、彼女と込み入った話をしたい」

ラウンジ嬢たちは残念そうな顔を浮かべながら、言われた通りに部屋を出ていく。
それに伴い結城は笑顔で一人一人に丁寧にお辞儀をし、礼儀正しくお見送りをしている。

(本当に変わったやつ。生粋の真面目なのか、それとも)

「あ、結城も席へ。もうすぐルイも戻ってくる」
「ありがとうございます」

高い天井からつるされたシャンデリアの下を、一瞬結城が通り過ぎる。

「…………」

ソファの端に座り、黒服に酒を注文している彼女を眺めながら、俺は思わず笑みを浮かべた。

「今日はルイの挨拶もかねてるんだが、もう一つ結城に伝えておきたいことがあって」
「なんでしょうか?」
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