俺様社長は奥手な秘書の初めてを奪う
数時間後。私は打ち合わせを終えた社長と二人でタクシーの座席に横並びで座っていた。
今から宿泊先のパリに戻る。
「芽衣、遠くまでありがとな」
「とんでもございません、社長」
社長は疲れた様子で前髪をかき上げる。
ゆったりとしたスピードで流れていく窓の景色を、彼はぼんやりと見つめていた。
(さすがにこのタイトなスケジュールじゃ社長も疲れちゃうよね、今はそっとしておいておこう……)
彼と反対側の窓を覗くと、近代的な高層ビルが薄暗い街並みに光り輝き、その美しさに見惚れた。
(綺麗だな……だけど、これじゃ……)
「東京と変わらないな」
(えっ……)
ふいに聞こえてきた声の方に視線を向けると、社長はクスリと小さく笑った。
「せっかく念願のパリに来たのに、こんなに仕事三昧にさせられて! とか思ってるんだろ?」
そう言って彼がポケットから出した一枚の紙に、私は目を見開いた。
「それっ……!」
今から宿泊先のパリに戻る。
「芽衣、遠くまでありがとな」
「とんでもございません、社長」
社長は疲れた様子で前髪をかき上げる。
ゆったりとしたスピードで流れていく窓の景色を、彼はぼんやりと見つめていた。
(さすがにこのタイトなスケジュールじゃ社長も疲れちゃうよね、今はそっとしておいておこう……)
彼と反対側の窓を覗くと、近代的な高層ビルが薄暗い街並みに光り輝き、その美しさに見惚れた。
(綺麗だな……だけど、これじゃ……)
「東京と変わらないな」
(えっ……)
ふいに聞こえてきた声の方に視線を向けると、社長はクスリと小さく笑った。
「せっかく念願のパリに来たのに、こんなに仕事三昧にさせられて! とか思ってるんだろ?」
そう言って彼がポケットから出した一枚の紙に、私は目を見開いた。
「それっ……!」