俺様社長は奥手な秘書の初めてを奪う
(え、えええ……⁉)
心で落胆の声を上げながら、私は大急ぎでアイパッドを取りに行き彼の前で読み上げた。
「本日のスケジュールに変更はありません。パリからメールが大量に届いておりますので、社長に目を通して頂きたいものだけ、後程お送りします」
「ありがとう」
彼はにっこりと笑顔で私に告げ、すぐにパソコンを開き仕事に取り掛かる。
そんな彼を横目で見ながら、内心ショックで倒れそうになった。
(な、なんで……? 彼女になったんだし、ほら……もう少し甘い雰囲気になったりとか……)
なんて、この男に私から言えるわけない。
付き合っているとはいえ、ここでの立場は社長と秘書だ。
(そ、そうか。みんなに内緒にしようって決めたし、ここでは今まで通りということ……なのかも)
そう前向きにとらえ、なんとか業務に集中することに決めた私はがむしゃらに仕事をした。
ガラスの壁隔てたところにいる彼を意識しながら。
(もしかしたら、この前のような急な訪問もあるかもしれない。
確かにキスしたし、好きって言われたんだから……大丈夫)
だけど。
「……快のことを社長がとても気に入ってるみたいで、またちゃんと話たいと言っていたよ。
今度開催されるパーティに、君も一緒に来てくれないか?」
「ああ、いいだろう」
あれから半日……夕方、社長室にルイさんがやって来た。
私も同じ部屋に呼び出され、ルイさんからホテル建設関連の資料を受け取る。
(ふたりとも、すごい楽しそうに話してるな……)
正直、彼らの話なんてこれっぽっちも耳に入ってこない。
(なんで社長はなんにも言ってこないんだろう。あの夜のことは夢だったの?)
そんなことを思っていると、ルイさんがいきなりポンッと私の肩に手を乗せてきた。
「じゃ、芽衣ちゃん後はよろしく……って、どうしたの? なんだか浮かない顔してるけど」
「え? そ、そんなことないですよ」
心で落胆の声を上げながら、私は大急ぎでアイパッドを取りに行き彼の前で読み上げた。
「本日のスケジュールに変更はありません。パリからメールが大量に届いておりますので、社長に目を通して頂きたいものだけ、後程お送りします」
「ありがとう」
彼はにっこりと笑顔で私に告げ、すぐにパソコンを開き仕事に取り掛かる。
そんな彼を横目で見ながら、内心ショックで倒れそうになった。
(な、なんで……? 彼女になったんだし、ほら……もう少し甘い雰囲気になったりとか……)
なんて、この男に私から言えるわけない。
付き合っているとはいえ、ここでの立場は社長と秘書だ。
(そ、そうか。みんなに内緒にしようって決めたし、ここでは今まで通りということ……なのかも)
そう前向きにとらえ、なんとか業務に集中することに決めた私はがむしゃらに仕事をした。
ガラスの壁隔てたところにいる彼を意識しながら。
(もしかしたら、この前のような急な訪問もあるかもしれない。
確かにキスしたし、好きって言われたんだから……大丈夫)
だけど。
「……快のことを社長がとても気に入ってるみたいで、またちゃんと話たいと言っていたよ。
今度開催されるパーティに、君も一緒に来てくれないか?」
「ああ、いいだろう」
あれから半日……夕方、社長室にルイさんがやって来た。
私も同じ部屋に呼び出され、ルイさんからホテル建設関連の資料を受け取る。
(ふたりとも、すごい楽しそうに話してるな……)
正直、彼らの話なんてこれっぽっちも耳に入ってこない。
(なんで社長はなんにも言ってこないんだろう。あの夜のことは夢だったの?)
そんなことを思っていると、ルイさんがいきなりポンッと私の肩に手を乗せてきた。
「じゃ、芽衣ちゃん後はよろしく……って、どうしたの? なんだか浮かない顔してるけど」
「え? そ、そんなことないですよ」