俺様社長は奥手な秘書の初めてを奪う
すると突然、柔らかい唇が首筋に押し付けられる。
たったそれだけなのに、意図せず大きく肩が跳ね「あっ」と高い声まで上げてしまった。
(い、今の自分の声⁉ 恥ずかしすぎる……!)
「お前すごい敏感なんだな。他は? どこが感じる?」
社長はぴったりと首筋に唇を当てたまま、いじわるな質問を投げかけてくる。
私は資料を手に持っているので、上手く抵抗できず体をよじるだけだ。
彼はそれを逆手に取り片方の手で私を捕らえたまま、もう片方の手で体のラインをなぞってくる。
(うう、エロエロモードに入ってきてる……! どうやって逃げたら……)
と心で言いながらも、洋服越しに伝わってくる淡い刺激によさを感じてしまう自分もいる。
特に腰骨を撫でられた時……背筋が甘く痺れ、ジワリと涙が浮かんできた。
彼はそんな私を上目使いで見ながら、喉の奥でくくっと笑う。
「やらしいな。腰で感じるなんて」
「も、もう本当にやめてください! こんなんじゃ速攻付き合ってることバレます……!」
(ここ、全面ガラス張り……!)
半ば叫ぶように伝えると、妖しい動きをしていた彼の手が止まり、代わりにギュッと抱きしめられた。
「常に一緒にいられるのはいいと思っていたが、触れられないんじゃ拷問だな。
いつでもいちゃつけれるように、仕切りでも取り付けるか」
割かし本気なトーンで提案してきた社長に、つい「ふっ」と笑い声を漏らしてしまう。
「それは……確かにいい案かもしれません」