俺様社長は奥手な秘書の初めてを奪う
「カッコイイ男の人と付き合いたいなぁ。どこで出会えるんだろう。
高校生って相手にしてくんないしさー」

美晴の嘆くような声が聞こえて、私はふっと笑みを深めた。

「美晴は可愛いし、そのうちカッコイイ人と付き合えるって」

「それはどうかな」

(え……?)

隣から低い声が突然聞こえて、私と美晴は動きを止めた。
自然と隣を見ると、高級そうなスーツを着た男の人が腕を組んで微笑んでいる。

「学校サボって、ロクに勉強もしないで着飾るだけしかできない女を、
いい男は相手にすると思う?」

「なっ……」

「子供は子供らしく、やるべきことをしなくちゃな」


随分な言い草だと、私はカッとなる。

「あの、あなたに何が分かるんですか。私たちのこと」

席を立ち、男の横に立つ。
チラリと視線を上げた男の瞳に、心臓が大きく跳ね上がった。

「何も知らないけど、もったいない時間の使い方をしているのは確かだ」

「……っ」
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