俺様社長は奥手な秘書の初めてを奪う
***
数時間後の早朝。
快と一緒に都内にある総合病院に訪れた私は、個室病棟のベンチに座っていた。
(おじいちゃん、ごめんね……)
あの後救急車で運ばれたおじいちゃんは、心臓発作が起きたとか脳の血管が切れたとかではなく、血圧が一気に上がり、失神しただけだった。お母さんの説明では、今日は念のため1日入院するとのこと……。
お父さんは憔悴しきっていて、別の場所で一人項垂れている。
(こんなことになってしまったから、快と一緒におじいちゃんと会いにいくのはもう少し後がいいよね)
そんなことを思っていると、カラカラ……と扉が開く音が聞こえてくる。
思わず勢いよく顔を上げると、部屋から出てきたお母さんは疲れた顔で微笑んでいた。
「芽衣、快君、心配させて悪かったわね。おじいちゃん今、目を覚ましたわよ」
「本当⁉」
「ええ。それであなたたちと話がしたいと言ってるの。気まずいかもしれないけど、お願い聞いてあげてくれないかな?」
「おじいちゃんが……?」
(私たちと会っても大丈夫なの?)
躊躇する私とは違い、隣に座っていた快はスッと迷いなくその場に立ち上がった。
「かしこました。行こう……芽衣」
「うん……」
数時間後の早朝。
快と一緒に都内にある総合病院に訪れた私は、個室病棟のベンチに座っていた。
(おじいちゃん、ごめんね……)
あの後救急車で運ばれたおじいちゃんは、心臓発作が起きたとか脳の血管が切れたとかではなく、血圧が一気に上がり、失神しただけだった。お母さんの説明では、今日は念のため1日入院するとのこと……。
お父さんは憔悴しきっていて、別の場所で一人項垂れている。
(こんなことになってしまったから、快と一緒におじいちゃんと会いにいくのはもう少し後がいいよね)
そんなことを思っていると、カラカラ……と扉が開く音が聞こえてくる。
思わず勢いよく顔を上げると、部屋から出てきたお母さんは疲れた顔で微笑んでいた。
「芽衣、快君、心配させて悪かったわね。おじいちゃん今、目を覚ましたわよ」
「本当⁉」
「ええ。それであなたたちと話がしたいと言ってるの。気まずいかもしれないけど、お願い聞いてあげてくれないかな?」
「おじいちゃんが……?」
(私たちと会っても大丈夫なの?)
躊躇する私とは違い、隣に座っていた快はスッと迷いなくその場に立ち上がった。
「かしこました。行こう……芽衣」
「うん……」