俺様社長は奥手な秘書の初めてを奪う
エピローグ
***
あれからあっという間に一年後――私と快は結婚した。
「芽衣~、綺麗だよ! おめでとう」
今日は、結婚式。
チャペルを出た瞬間、春の穏やかな日差しが私たちを祝福するように照らしてくれる。
可憐な花びらが舞い、あちこちで拍手が巻き起こる中見えるのは、藤堂家、結城家の親族……そしてお互いの友人数名。
第一斉に聞こえてきた元気な声は美晴だ。
彼女の腕の中に収まっている赤ちゃんは、不思議そうな顔でこちらを見つめている。
寄り添うようにして立つ夫のルイさんは彼女のムチムチのほっぺをつついて幸せそうな顔で……。
「ルイのやつ、俺たちなんて眼中にないな」
「はは、仕方ないよ。あんなに可愛いんだもん」
(美晴たちも幸せそうで本当によかった……)
温かい気持ちになりながら快と階段を下りていると、ふと笑顔の華さんと目が合う。
「快も芽衣ちゃんもお幸せに!」
「おめでとう!」
華さんの横では遠藤さんも笑顔で拍手を送ってくれている。
彼らはホテル建設のアートディレクションを大成功に収めた後、フランスには帰らずに『オテル・ド・シェバリエ』を退社、CLBKの社員として再就職した。もちろんホテル建設の成功は二人の実力によるものが大きいけれど、私は快が過去を勇気をもって決別し、彼らを信じられたのが一番の要因だと思う。
(本当に快、頑張ったよね)
チラリと横目で見た快は、幸せそうな顔で微笑んでいてキュンと胸がときめく。
秘書を辞めて彼の頑張りを近くで見ることはできていないけれど、CLBKは私がいなくなった後も業績は右肩上がり。
場所は違えど身近にいる快の仕事ぶりに刺激され、私が結城家具の立て直しに奮起したのは言うまでもない。
(まだまだ快には及ばないけどね……)
あれからあっという間に一年後――私と快は結婚した。
「芽衣~、綺麗だよ! おめでとう」
今日は、結婚式。
チャペルを出た瞬間、春の穏やかな日差しが私たちを祝福するように照らしてくれる。
可憐な花びらが舞い、あちこちで拍手が巻き起こる中見えるのは、藤堂家、結城家の親族……そしてお互いの友人数名。
第一斉に聞こえてきた元気な声は美晴だ。
彼女の腕の中に収まっている赤ちゃんは、不思議そうな顔でこちらを見つめている。
寄り添うようにして立つ夫のルイさんは彼女のムチムチのほっぺをつついて幸せそうな顔で……。
「ルイのやつ、俺たちなんて眼中にないな」
「はは、仕方ないよ。あんなに可愛いんだもん」
(美晴たちも幸せそうで本当によかった……)
温かい気持ちになりながら快と階段を下りていると、ふと笑顔の華さんと目が合う。
「快も芽衣ちゃんもお幸せに!」
「おめでとう!」
華さんの横では遠藤さんも笑顔で拍手を送ってくれている。
彼らはホテル建設のアートディレクションを大成功に収めた後、フランスには帰らずに『オテル・ド・シェバリエ』を退社、CLBKの社員として再就職した。もちろんホテル建設の成功は二人の実力によるものが大きいけれど、私は快が過去を勇気をもって決別し、彼らを信じられたのが一番の要因だと思う。
(本当に快、頑張ったよね)
チラリと横目で見た快は、幸せそうな顔で微笑んでいてキュンと胸がときめく。
秘書を辞めて彼の頑張りを近くで見ることはできていないけれど、CLBKは私がいなくなった後も業績は右肩上がり。
場所は違えど身近にいる快の仕事ぶりに刺激され、私が結城家具の立て直しに奮起したのは言うまでもない。
(まだまだ快には及ばないけどね……)