俺様社長は奥手な秘書の初めてを奪う
強引に手を引かれ、そのまま彼と一緒に目の前に広がるバスタブにダイブする。

「ぷはぁっ! もぉ……お風呂なんて入ったらどこも……」

「時間はいくらだってあるだろ? 
それにマッサージした後は感度がいいんだ。もったいない」

ギュッと私を後ろから抱しめ、快は低い声で囁いてくる。

(えっ!?)

「まさかそれ目当てで……っ!?」
「あはは」

(もう、何考えてるの……!?)

面白おかしそうに笑う快を、つい睨んでしまう。
しかし。

「この旅では、お前を抱き尽くすつもりでいる」

そう言った快の瞳はいつになく熱を帯び、真剣そのものだった。

(え……?)

「ど、どうしたの。快……いつもと様子が」

「芽衣との子供がほしい。明瞭な答えだろ」

私は痛いところを突かれ、口をつぐんだ。

(快の口から『子供がほしい』なんて聞いたことなかったから、てっきり……)
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