隣の席の一条くん。
わたしよりも1つ上のマオちゃんが、なにやら頻繁にスマホをいじっていた。

いつもなら休み時間でも、振り付けの確認をしているくらい熱心なのに。


「マオちゃん、どうかしました?」

「…えっ、なにが?」


マオちゃんは隠すように、慌ててスマホの画面を伏せる。


「だって、今日はスマホをよく見てるから。なにか、お家の用事とか?」


わたしがそう尋ねると、マオちゃんは少し困ったような顔をした。
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