隣の席の一条くん。
ここで正直に胸の内を語ってしまったら、同じ“恋愛禁止”という条件でアイドル活動をしている他のメンバーを裏切ることになる。


真面目なマオちゃんだから、きっとそんなことまで考えていて、素直に言えないんだ。


「そ…その人のことは、……たぶん好き。だけど、やっぱり付き合えない。…だから、もう連絡も取らないようにする……」


…マオちゃん。


すべてを話してくれたのに、なにも言ってあげられることがない。
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