隣の席の一条くん。
彩奈にそう言われて、ハッとした。


ほんとだっ。

恋なんかしてなかったら、こんな念押しすることもないもんね。


「好きなんだ?一条くんのことっ」


口元が緩む彩奈の問いに、わたしはゆっくりと頷いた。


わたしの反応を見て、彩奈がニヤニヤと笑うものだから、なんだかこっちが恥ずかしくなってきた。


「いいんじゃな〜い?一条くん。こわそうな見た目だけど、実は優しいっぽいし」
< 143 / 316 >

この作品をシェア

pagetop