隣の席の一条くん。
「そうなんだよね。一条くんって、みんなに優しいよね。わたしに勉強だって教えてくれるんだし」


自分の時間を割いてまで、放課後わたしに付き合ってくれるんだから。


わたしがそう言うと、急に彩奈の表情が真顔に変わった。


「ああ、それは違うよ」


顔の前で、手を左右にブンブンと振る彩奈。


「一条くん、だれにでも勉強教えるわけじゃないみたいだよ」

「どうして?」
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