隣の席の一条くん。
彩奈の『両想い』という言葉に反応して、顔がぽっと熱くなる。


わたしは、一条くんのことが好き。

一条くんも、わたしのことが……?


…なんてことを考えたら。

やばい……、なんか緊張してきたっ。


で…でも、まだ彩奈の勘違いって可能性も否定できない。


――と、そこへ。


「…まだ?」


わたしと彩奈だけしかいない教室に、ドアを開けて一条くんが顔を出した。
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