隣の席の一条くん。
「ご…ごめん!なんでもないっ!」

「なんでもないわけないだろ。さっきから、チラチラこっち見て」


図書室で小声で話す会話さえも、まるでナイショの話をしているみたいでドキッとする。


そんなわたしの耳に、ふと聞こえた周りの会話――。


「…あっ、見て!あれ、PEACEのひらりちゃんじゃん」

「ホントだー!勉強してるのかな?隣にいるのは……彼氏?」

「彼氏じゃないでしょー。恋愛禁止なんだから」
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