隣の席の一条くん。
桜の木の下で
「でも、まさかひらりが…あの一条くんと付き合うことになるとはねー!」

「ちょっと…彩奈!声が大きいっ!」


わたしは、慌てて彩奈の口を手で塞ぐ。



一条くん――。


…いや。

晴翔とキスをした日から、数週間がたつ。


結局、怜也とのキスシーンは白紙に終わった。

事務所が改めて、NGを出したため。


怜也にファーストキスを奪われないなら、晴翔ともキスをする必要はなかったのだけれど、そのおかげで晴翔に気持ちを伝えることができた。
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