隣の席の一条くん。
「ありがとうございます。今後とも、ひらりをよろしくお願いします!」


ママは手慣れた様子で、契約書にサインしようとしたとき――。


「…が、契約更新するには…1つ条件があります」


そう言って、社長は机に並べた契約の書類を一旦引っ込めた。

突然のフェイントに、ママも苦笑いを浮かべる。


「条件とは…?」


ママが尋ねると、社長の背中からある封筒が出てきた。
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