隣の席の一条くん。
わたしの肩を叩く彩奈。


だけど、そんなことはないっ。

――なぜなら。


「え〜と…。30番の隣の席は〜…」


座席の番号が描かれた黒板を眺めていた彩奈が…一瞬固まる。


黒板には、座席表が描かれている。

くじ引きで引いた紙に書かれていた番号と同じ番号のところに、チョークで自分の名字を書いていく。


30番のわたしの隣の席の25番のところには、すでに名字が書かれてあった。
< 3 / 316 >

この作品をシェア

pagetop