隣の席の一条くん。
こうして、人前で堂々と手を繋げることが幸せだ。


「あ、そーだ。ここって、中庭の桜がきれいらしい」

「そうなの?じゃあ、見て帰ろうよ!」


わたしと晴翔は、手を繋いだまま中庭へやってきた。


入学式初日で、午前で終わってみんな早々と帰ってしまったため、中庭にはわたしたちの他はだれもいなかった。


「うわー!すっごくきれい!」


中庭には3本の桜の木が植えられていて、そのすべてが満開に咲き誇っていた。
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