隣の席の一条くん。
「いいだろ?ずっと我慢してたんだから」

「…もうっ。こんなところで…」


と怒ったフリをしてみたけど、実はうれしかったりする。


晴翔とは、あのボートでのファーストキス以来、一度もキスをしていなかった。


引退する前にだれかに見られるわけにはいかないということと、引退するまではアイドルを全うするために。


だから、晴翔もわたしにキスしたいのを我慢してくれていたんだそう。
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