隣の席の一条くん。
当てられた問題は、すべて答える一条くん。

だけど、彼にも欠点があった。



それは、4限の国語の時間。


「それじゃあ、一条くん。続きを読んで」


先生が当てたのは問題の回答ではなく、教科書の朗読。


寝起きの一条くんは、まだ完全に起きていないのか、目がとろんとしている。

もちろん、机の上に教科書はない。


すると一条くんは、ぼんやりとした表情でゆっくりとたしの方に顔を向ける。
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