小さな恋、集めました【短編集】
嫉妬
【ヤンデレ】
私は彼が好きだ。
「さっきの女、誰」
好きだから、彼が他の子と話しているのは見たくない。
「同じ委員会の子だよ」
「何話してたの」
「仕事について」
心配させてごめんね。
彼はそう言っていつものように微笑んだ。
いつもこうだ。
私が勝手に嫉妬して、彼がそれに謝って。
……なんだか疲れちゃった。
嫉妬するのも、彼に迷惑かけるのも。
きっと彼もこんな私に嫌気がさしてるだろう。
……潮時、なのかな。
「ね、もう終わりにしない?」
「何を?」
「別れよ」
彼がこれを了承すれば、私達の関係は終わる。
「だめだよ」
けれど、返ってきたのはそんな言葉。
「別れるくらいなら君と一緒に僕も死ぬ。僕は絶対に君を離さない。好きだよ。君も好きでしょ?好きって言って?」
いつもの笑みを浮かべる彼。
こんなの普通じゃない。
「うん。私も好き」
でもそれが嬉しい私もきっと普通じゃないのだ。
ふふっ、私達お似合いだね。