小さな恋、集めました【短編集】
小さい先輩
【告白】
『いいじゃん? 背ぇ高いなんてモデルみたいで』
身長がコンプレックスだった私に先輩がかけてくれた言葉。
それは私が先輩に落ちるには十分すぎて。
「せんぱーい!」
今日も先輩のもとにむかう。
「先輩相変わらずちっちゃいですねぇ」
「うっせーな。これからだよ」
私より小さい先輩にいつもの軽口をかわしながら、ふと考えてみる。
先輩は私のこと、どう思ってるのかな。
自分より背が高い女なんて嫌かな。
そう考え始めると、もう止められなくて。
「好きです」
勢いで言ってしまった。
言って後悔。
「今のは違っ……!」
さっきの言葉を取り消そうとした私の口は、先輩の唇よって塞がれて。
「お前、自分より背が低い男なんか嫌か?」
問いかける先輩に必死に首を横にふる。
「嫌なわけないじゃないですか!」
「なら、付きあおーぜ」
そう言って不敵に笑う先輩に、改めて惚れてしまった。