小さな恋、集めました【短編集】
限定告白

【告白】


「先輩! 好きです!」


今日も一回だけ、先輩に好きを伝える。

私が先輩に告白して、ふられてから毎日恒例の1日1回限定の告白。


ふられてなおしつこく告白する私に先輩が折れる形でこんな約束が作られた。


それから毎日、叶わない恋だと知りながら1日1回の告白を続けている。


「それでは!」


今日の告白が終わって先輩と別れようとしたら、いきなり腕を引かれた。


「せ、先輩!?」


いきなりのことで頭がついていかない私などおかまいなしの先輩が私に顔を近づけてくる。


「昨日の男、誰」


耳元で囁かれた言葉にすぐにぴんときた。

昨日の告白の後、話した子だ。

けど! けど今はそんなことより……!


「それってもしかしてやきっ……!」


ぼふっ。


顔を胸に押し付けられて最後まで言えなかったけど、少しだけ見えた顔はほんのり赤くて。


「1日1回だけじゃ、足りない」


そう呟いた言葉に、期待してもいいですか??

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