これを愛というなら~SS集~
☆環奈×蒼大☆
「私ね……もう……25歳にもなるのに……乙女なんだよね……ずっと部活ばっかり……短大も女だけで出会いもない……社会人になって好きになった料理長に……全てを奪って欲しかったのに……」



はじめて、少しでも傷付いた心を癒そうと誘ってくれた坂口くんと、お酒の席で個室なのを良いことに、半分は酔っ払っていて、テーブルに突っ伏して話していた。


この歳で、男性経験がないなんて……引かれるよね……

付き合ってって言ってくれた人が居ない訳じゃないけれど、その時は部活一筋だったからね。

彼氏を作るとかキスをしたいとか、そんな欲求はなかった。

それに、恋だの愛だなんて……いらない。


「ずっと、本当に好きな人にって思ってきたんだよね、島田さんは。俺だって……大した恋愛経験なんてないよ」


好きだって思える異性すら居ないのに……

料理長が初恋に等しい人なのに……そう坂口くんが言ってくれたなら、そういう事にしておこうかな。


「……ありがとう……坂口くんは……倉本さんを奪いたかった?」


「奪いたかった。無理だってわかってた
んだけど……料理長が相手で。だけど……ガキだったから引き際がわからなかった……高校ん時の俺はワルで売られた喧嘩は交うってのが当たり前で……つい……」


それは以外だったな。

こんなにジャニーズ系の可愛い顔をしているのに……

全然、ワルだったなんて想像すら出来ない。


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