これを愛というなら~SS集~
蒼大くんと今度は私の実家に呼ばれたのは、あの日から1ヶ月後。


継母の趣味で煌びやかだった応接室は、一掃されて落ちついた雰囲気になっていた。

父が母と離婚する前の雰囲気と同じで、ホッと落ち着けた。


「環奈ちゃん、きちんと離婚をした。根回しもしたから、もう二度と関わって来ることはない。安心してくれ。環奈ちゃんの言っていたネックレスも取り返してきたよ。大切にするんだよ」


テーブルに置かれたケースに入ったネックレスを胸に抱いて、ありがとうございます、と頭を下げた。


「それから、坂口くん。環奈ちゃんを改めて宜しく頼む。近いうちに3人でご飯でも食べよう」


「はい。環奈さんは俺が幸せにします。色々とありがとうございました」



お義父さんのおかげで、蒼大くんがお義父さんに話してくれたおかげで、継母とは縁が切れてーーー

今、継母は何処でどういう暮らしをしているのかさえ知らない。

知りたくもない。

私に二度と関わってこないなら、それでいい。


蒼大くんとの穏やかで温かい日常。

それさえあれば私は生きて行ける。

二人で、料理長と倉本さんに会いに行った時ーーー今でも変わらないラブラブっぷりに、二人で約束したんだ。



いつか結婚しても料理長と倉本さんみたいに、信頼し合って、支え合える夫婦になろうね。

そうだな。約束。


この時の誓いのキスが、本当にいつか……末永く共に生きることを約束した誓いのキスになりますように。


~END~
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