これを愛というなら~SS集~
私はね……彼と不倫してたの。

数週間前に……奥さんと別れたからまた付き合ってほしいって連絡が来て、断ったんだけど……しつこくて……先週、彼に会った。

その時にね……強く迫られて拒否出来なくて……抱かれちゃったの。

そうしたら……今日は駅前で待ち伏せされて……また迫られてた所を悠馬くんが助けてくれた。

ーーー。

悠馬くんちのワンルームの絨毯の上に、向かい合って座ってーー私の過ちを話した。


そっか……と呟いた悠馬くんは、今はもう好きじゃないの?

なんて訊くんだから……全部、区切りが付いてからって思ってたのに……


「今は……好きな人がいるよ……私の目の前に……」


一瞬だけ驚いた顔をした悠馬くんは、俺?と……

大きく頷くと、めちゃくちゃ嬉しいよって腕の中に閉じ込めてくれた。


俺も好き。

桃子の全てを奪ってもいい?


抱き締めたまま、耳元で言われたんだけど……

毎回、適当に肌を暴いてただ……捩じ込まれて……キスなんて唇を重ねるだけ。


胸だって揉まれるだけ。
時々、彼のモノを彼が液体を出すまでー…口の中に押し込まれる。

初めて身体を捧げた相手が彼で、そんな抱かれ方しか経験のない私は……痛いだけ。


「痛くしない?」


「……今まで痛かったんだね……痛くしないよ……気持ちいいって俺が教えてあげる」


甘く囁いて、宙に浮かせた私の身体をベッドに横たわらせて……

上から見下ろして、ニコッと歯を見せて笑いながら、頭を撫でて額をくっつけて……俺に委ねて。

桃子、と鼻先が当たる距離で囁いて、唇が重なった。


上唇と下唇を食んで、チュッと音が出るキスを何回かされて、舌が割り込んできて絡められる……奥まで。

私の口からは、勝手に吐息が漏れる。

こんなキスを私は知らない。

頭の芯から痺れるような感覚。

ジワリと中心から液体が滲む感覚。

キスってこんなに気持ちいいんだね。
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