これを愛というなら~SS集~
ベッド上の窓のカーテン越しに、朝日が射し込んでーー目を覚ますと、、

悠馬の腕の中で、一糸纏わぬ姿ですっぽり収まっていた。

足も絡まっていて、顔を上げるのがやっとの状態。

厚い胸板に頬を擦り寄せて、キスをしてみる。

少しだけ身体をゆっくり離して、お腹に触れてみると……触ると分かる固い筋肉に……

この身体に強く抱き締められて、抱かれたんだと。

身体がまた芯から火を灯した。


んー……っと、悠馬が瞼を開けて……

起きてたんだ?おはよ、とチュッとキスを唇にくれる。

こんな朝も……はじめて。

彼は朝、いつも居なくて……彼が寝転がっていた場所は冷え切っていた。

だからね、、、幸せって呟いていて。

無邪気な笑顔で、俺も、と脇腹を擽られて……やめてよっ!と、

私も悠馬くんの脇腹を擽って、朝からふざけ合ってたはずなのに……

いつの間にか甘い雰囲気に持って行かれる。

悠馬がくれる、大好きになったキスひとつで。



ねぇ……悠馬?

んー?

悠馬って……モテて来たでしょ?

それなりにはね。どうして?

扱い方もキスも何もかもに長けてる!

ハハハッ……それはね、きっと桃子を笑顔にするために神様がくれた、天性の物かもね。

……その台詞、今までたくさん言って来たでしょ?

言ってないよ。これから先も、愛の言葉を言うのは桃子だけ。
安心して。

約束だよ?

うん、約束!指切りしよっか?


指切りを交わした甘い甘い朝。

まさか……の事が起きるなんて……!!
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