シンデレラは堅物会長の専属モデルになるようです
「私もいただきます。……! ん、美味しいです。自分で言うのも変な話ですけど」

「悠はそのくらい自信を持っていいんだよ。物事はネガティブに考えるよりポジティブのほうがいい。そっちのほうが今後のモチベーションも上がるから」


「なんとなくわかります。……って、もしかしてお兄ちゃんのこと言ってます?」

「まぁ……そうともいうかな。ただ僕以外の男の話をした覚えはないんだけどね」


あれ、紅蓮先輩の声色が変わった?

なんだか口調が怖い。怒らせちゃったかな。


「いい匂いがすると思ったら何か作ってたのか」


ガチャとドアを開けてリビングに入ってきたのはお兄ちゃん。


ほら、やっぱり私の言うことなんか聞いてない。


「お兄ちゃんの分もちゃんと作ってあるよ」

「なら今から食う」


「わかった。用意するね」


これは私たちの普通の会話。

だけど紅蓮先輩にはそう見えなかったようで……。
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