シンデレラは堅物会長の専属モデルになるようです
「それにしても……さっきまでの記憶が抜け落ちてるみたいで。僕は悠に変なことしなかった?」

「う~ん。変なことはされなかったですけど。しいていうなら膝枕くらいですかね……。あとは普段の紅蓮先輩より少し幼かった……かな」


口調も言動もかなり子供っぽかったけど。


それも覚えてないのかな?


「そう」

「覚えてないと都合悪かったりしますか? 私はその……甘えん坊な紅蓮先輩も可愛くて好きでした」


「人に弱みを見せるとあとで散々いじられそうだから」

「私そんなことしませんよ!?」


「わかってる。それに……」

「?」


「変なことは覚えてる時にしたいから。そのほうが僕の記憶に焼き付けておけるから」


重たそうに身体を起こすと私の腕を引っ張りベッドの中に。


風邪引いてるとはいえやっぱり力じゃ全然勝てない……。


「紅蓮先輩。寝てなきゃ駄目ですよ。薬だってご飯もまだ食べてないのに……」

「だから寝てるよ。悠と一緒に」


「そ、そうでしたね」


たしかに寝てる。

紅蓮先輩はベッドの中から出てないし……。
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