シンデレラは堅物会長の専属モデルになるようです
「……はぁ~……」


ようやく離されたので大きく息を吸って吐いての繰り返し。


呼吸は整い始めていたその時、


「もう一度……」

「ぐ、紅蓮せ……んっ」


次は顎をクイッと持ち上げられてからのキス。


激しい口づけに私の頭は爆発寸前。


「なん、で……」

「悠を見ていたら止まらなくなった。僕のためにわざわざ家に来るなんて……。男の家に一人で来るというのがどれだけ危険かわかった? ましてや僕は風邪引いてるんだよ。悠に何をするかわからない」


「私は紅蓮先輩だから……お見舞いに来たんです。これが他の男子なら絶対行きません。私はその……紅蓮先輩だったら何をされてもいいって覚悟をいつも持ってます」

「ありがとう。でも覚悟が出来てる人間はこんなに震えたりしないよ。ごめんね、怖い思いをさせて」


「え……」


ハグをされて背中を優しく撫でられた。

まるで泣きじゃくる子供をなだめるみたいに。


ハッと気付く。

私の身体がカタカタと震えているということに。
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