シンデレラは堅物会長の専属モデルになるようです
「流架、悠はこう言ってるけど実際はどう思ってるの?」

「プッ……あははっ。ハズレに決まってんじゃん、そんなの。まぁでも悠ちゃんはやっぱり他の女の子とは違う感じがする。俺は教室に戻るよ。今はせいぜい紅蓮お兄ちゃんに甘やかしてもらうといい。でも君はそれじゃあ満足はしないと思うよ」


「そんなことない。私は紅蓮先輩と付き合って幸せだもん」


一条君はお腹を抱えて笑ってる。


何がそんなにおかしいの?


それに最後の含みのある言い方。

まるで私が紅蓮先輩以外の人を求めるみたいな……。


紅蓮先輩の前でやめて。

それ以上傷付けるようなことを言わないで。


「二人は本当に本気の恋をしてるんだね。俺はくだらないと思うけど。違う刺激が欲しくなったらいつでも俺の所においで。悠ちゃんが知らない世界を教えてあげるから。それと明日からもお友達として仲良くしてね?」

「なっ……!」


私が知らない世界……?

ハッと気付いた時には私の手の甲に口づけをしていた一条君。


「! 流架、あれほど注意をしたのに」


一瞬のことで紅蓮先輩も反応に遅れたようで苦い表情を浮かべていた。


一条君のことをめっちゃ睨んでる。

本気で怒ってる紅蓮先輩は見ているだけで怖い。
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