シンデレラは堅物会長の専属モデルになるようです
「俺が紅蓮お兄ちゃんに注意されたくらいで怯むと思ってるの? 悪いことして謝るのは子供の時の俺だけ。今はもう高校生なんだし紅蓮お兄ちゃんの言うことは聞かないよ。悠ちゃん、また教室で会おうね」


ーーーバタン。

ドアが閉まり、一条君は教室に行った。


「悠、怖い思いをさせてごめん」

「!」


一条君がいなくなった途端、紅蓮先輩は私を抱きしめた。


紅蓮先輩の匂いだ。安心する。


今まで以上に力強く優しかった。


「私、怖くなかったです」

「そう。……悠は僕が知らないところで強くなっていくんだね」


紅蓮先輩、それは違います。


私は紅蓮先輩の隣にいるから強くなれるんです。
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