シンデレラは堅物会長の専属モデルになるようです

「留学中にさ、ホームステイ先で書いてたんだ。夜中は外出禁止だったから。やることないなぁ〜って思って。それでどうせ暇なら文章でも書いてみようかな……って。そしたらいつの間にか人気出ちゃって」

「僕は流架が泊まりに来た時にその話を聞いてたんだ」


「そうだったんですね」


紅蓮先輩が一条君の話を聞いて驚かないのはそういうことか。


「今のペンネームだと名が知れてるし不公平だからさ。お互い別の名前で投稿する。俺はデビューしてないし、これなら公平でしょ？ 今日から書き始めて完結目安は８万文字程度で締切は２週間。そして１ヶ月後に閲覧数と読者数が多い方が勝ち。総合的に判断するにはそれで十分でしょ？」

「流架が負けた場合はどうするつもり？」


「俺が負けたら悠ちゃんの恋人になるのはキッパリ諦めるよ。あ、その場合は紅蓮お兄ちゃんは悠ちゃんの恋人のままでいーよ。ただし、俺が勝った暁には悠ちゃんは俺のモノ。いつ食べるのも手を出すのも俺の自由。そのときは止めるとか無しだよ？ 男らしく潔く諦めてね」


「た、食べるって……」


そんな勝負、紅蓮先輩が受けると思ってるの？