シンデレラは堅物会長の専属モデルになるようです
「紅蓮先輩、寄り道ってどこに行くんですか?」

「学校の屋上」


「えっ、でも高校は閉まってると思いますよ」

「夏休み期間でも部活はあってる。それに僕は生徒会長だよ、忘れたの?」


「覚えてます」


生徒会長だからといって不法侵入はダメなんじゃ……。


「無断で入るわけじゃない。先生に許可は取ってある。だから屋上の鍵も予め貸してもらってる」

「それなら安心しました」


紅蓮先輩は急ぐように私の手を繋いだまま学校へと向かう。

そんなに走らなくても学校は逃げないのに。


そして屋上についた。


「紅蓮先輩そんな全力で走らなくても……はぁ、はぁ」


すでに息切れ。汗もベタベタでちょっと気持ち悪い。


「全力を出したつもりは……ごめん、悠」

「あ、ありがとうございます」


紅蓮先輩は鞄から冷感スプレーを出して手渡してくれた。


私は息を整えるのにやっとなのに紅蓮先輩は汗1つかいてない。
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