シンデレラは堅物会長の専属モデルになるようです
「悠にはお兄さんがいるんだね」

「……?」


「なんでもないよ、こっちの話」


一瞬だけど紅蓮先輩の笑顔が黒かったような気がする。

私の見間違いかな?


「デート楽しみにしてる。僕はこれから会長としての仕事があるからこれで」

「あ、お邪魔しちゃってごめんなさい」


ペコッと軽く頭を下げ、お弁当箱を持って生徒会室から出ようとする私。


「待って」


ガッ! と腕を掴まれた。


「紅蓮先輩?」

「この場所は普通なら関係者以外は立ち入り禁止なんだけど……」


「は、はい」

「悠は特別。なんたって僕の恋人だから。僕に会いたくなったら、いつでも生徒会室に来て」


グイッ! と紅蓮先輩のほうへと引っ張られたと思ったら、そのまま抱きしめられる私。
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