シンデレラは堅物会長の専属モデルになるようです
「悠。少しの間、目を閉じてもらえる?」

「はい」


目にゴミでも入ってたかな?


「これで落ち着いた?」

「あ……ぐ、紅蓮先輩!? 今、キスしましたよね?」


「そうだけど。僕の言葉で驚かせちゃったみたいだから」

「さっきの発言よりもビックリしました」


「それはごめん。僕としたらリラックスするかと思って」


すれ違う人にめっちゃ見られてる。


「逆に落ち着かなくなりました」

「じゃあ、もう一回しておく?」


「なんでそうなるんですか!?」

「僕が悠とキスしたいから」


「私が落ち着く以前に紅蓮先輩がキスしたいだけですよね?」


やっぱり紅蓮先輩はキス魔だ……。


「どうしてバレたの?」

「紅蓮先輩の顔に私とキスしたいって書いてあるからです」


「じゃあ、キスしてもいい?」

「これ以上は私が持たないのでダメです。あと映画の時間に遅刻しますよ」


「わかった。そうだね、言われてみれば確かに上映時間ギリギリ」


私は紅蓮先輩に手を引かれ、映画館に向かった。
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