シンデレラは堅物会長の専属モデルになるようです
「あれ……?」

「悠、どうしたの」


「いや、本当にここで合ってるのかなって」


3番スクリーンに入る。


映画が始まるまで5分もないのにあまりにも人が少なくて私は違和感を覚えた。


「あぁ、それはね。今の時間は僕と同じような仕事をしている人限定なんだ」

「紅蓮先輩と同じ……。それは漫画家さん関係ってことですか?」


「そうなるね。この映画の原作者が僕と同じくらい売れてる漫画家でね。だから特別に招待してもらったんだ。さっき担当からメールが来て僕も今知ったところなんだけどね」

「そうだったんですか!?それは驚きですね。あ、私ポップコーンとか買ってきます」


自分の席に荷物を置くと立ち上がろうとする私。


だけど紅蓮先輩に「待って」と腕を掴まれた。


「一人で行くのは駄目だよ。見知らぬ男にナンパでもされたらどうするの?」

「でも、この部屋からすぐ近くのところですよ」


「それでも僕は心配なんだ。悠、ここに座って」

「え!?」


ポンポンと膝に乗ってと合図する紅蓮先輩。
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