シンデレラは堅物会長の専属モデルになるようです
「っ……」


次はさっきよりも撫でるように触れられた。

紅蓮先輩は私を全く見ようとしない。


『僕が以前に短編で描いた漫画覚えてる?女の子が初デートで男の子と映画に行く話なんだけど』


さっきの言葉がフラッシュバックした。思い出すんだ、私。あれはどういう話だったのか。

……思い出した。男の子が女の子を膝の上に乗せてスキンシップをする話。


これって、もしかして。


「ん……」


紅蓮先輩が私の腰に手を伸ばす。


「く、くすぐったっ……!」


変なことをされるかと思った次の瞬間、紅蓮先輩はこちょこちょをし始める。


「どう? 人の目を気にしながら僕と触れ合うのも悪くないんじゃない?」

「そ、それは……」


「でも、これ以上は見つかると世間的に色々危険だから、ね」


そういってパッと手を離すと最初の体制に戻る。
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