シンデレラは堅物会長の専属モデルになるようです
「そうですよね。あはは……」


こうやって抱きしめられるのも嬉しい。けど、さっきのは本当にドキドキした。


見つかるんじゃないかってヒヤヒヤした。

でも、それ以上にもっと紅蓮先輩に触ってほしいって思った。


「この続きはベットの上で」

「.......っ」


私だけに聞こえるのは紅蓮先輩の声だけ。

もう映画の音は聞こえない.......。


映画は無事(?)に終わった。

前半は覚えてるんだけど後半からは何が起こったのか全く記憶にないのはなんでだろう。


「紅蓮先輩のせいでちゃんと映画見れませんでした」

「ごめん。今度は僕がチケットを買ってあげるから、それで許して」


「まぁ、そ、それならいいですけど」

「だけど、いいの?僕と映画に来たら、さっきみたいなことするかもしれないよ?」


「なっ……」


映画館を出る直前に囁かれるのはさっきのことを嫌でも思い出すようなセリフ。


「映画も終わったからご飯でも食べに行こうか」

「はい。ポップコーンも食べなかったし、お腹空いちゃいました」


「そんなに食べたかったの?ポップコーン」


笑われてしまった。

食い意地張ってるとか思われた?


「コラボカフェっていうのはどう? 今放送されてる猫アニメのお店が期間限定でやってるみたいだよ」

鞄の中から取り出し、雑誌を見せる紅蓮先輩。
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