1分で読める初恋短編集
13:ここではないどこかへ
「ウチのクラスの男子ってなんか嫌だよね」
「ねー、ほんとなんか田舎っぽいよね」
友達の悪口にうんうんとうなずきながら、心の中で反論をする。
「中にはいい人もいるかもよ」
でも、そんなことを言えば私はこのクラスの女子の中で浮いてしまう。
息苦しいこの生活にも慣れてきたけど、溺れてしまう不安につきまとわれている。
そんな時に、少しだけ私の好きな人と目が合った。
お互いに何も言わず、すぐに目をそらした。
危なかった。
あのまま見つめていたら「助けて」と口走りそうだった。
呼吸が苦しくなるこの場所から私を連れ去って、どこか遠く、ここではないどこかで抱きしめてほしい。
そんなことを思いながら、笑顔の仮面を貼り付けて空気の薄い場所へと戻る。
いつかその日が来ることを願いながら。
「ねー、ほんとなんか田舎っぽいよね」
友達の悪口にうんうんとうなずきながら、心の中で反論をする。
「中にはいい人もいるかもよ」
でも、そんなことを言えば私はこのクラスの女子の中で浮いてしまう。
息苦しいこの生活にも慣れてきたけど、溺れてしまう不安につきまとわれている。
そんな時に、少しだけ私の好きな人と目が合った。
お互いに何も言わず、すぐに目をそらした。
危なかった。
あのまま見つめていたら「助けて」と口走りそうだった。
呼吸が苦しくなるこの場所から私を連れ去って、どこか遠く、ここではないどこかで抱きしめてほしい。
そんなことを思いながら、笑顔の仮面を貼り付けて空気の薄い場所へと戻る。
いつかその日が来ることを願いながら。