1分で読める初恋短編集
7:私の恋心
第一印象は「ムカつく男子」だった。
私のことを「お前」って言うし、嫌なことはしてくるし。
でも、中学生になってから印象が変わった。
いつの間にか伸びた背、私の身長を追い越して「これでチビって言われないな」って言った声も、低くなってた。
そこにいるのは「大人になる前」の美しい形の男の子だった。
未完成で、どこか儚い印象を持つ彼に私は惹かれた。
だから思い切って告白をしたし、付き合って……結婚までこぎつけた。
今目の前にいるのは、あの頃の彼とは全く違う人だけれど、笑顔の中にだけ彼の残滓(ざんし)がある。
私の恋は、その残滓にだけ残っている。
そこに触れるたびに、幼い自分に戻って恋心が少しだけ震える。
これを幸せをというのなら、それもまたいいと思う。
私のことを「お前」って言うし、嫌なことはしてくるし。
でも、中学生になってから印象が変わった。
いつの間にか伸びた背、私の身長を追い越して「これでチビって言われないな」って言った声も、低くなってた。
そこにいるのは「大人になる前」の美しい形の男の子だった。
未完成で、どこか儚い印象を持つ彼に私は惹かれた。
だから思い切って告白をしたし、付き合って……結婚までこぎつけた。
今目の前にいるのは、あの頃の彼とは全く違う人だけれど、笑顔の中にだけ彼の残滓(ざんし)がある。
私の恋は、その残滓にだけ残っている。
そこに触れるたびに、幼い自分に戻って恋心が少しだけ震える。
これを幸せをというのなら、それもまたいいと思う。